お久しぶりです。
炭谷です。

溝野は
「映画を観た。けどあんまり面白くなかった」
としょっちゅう言っている。
面白くない映画からなにかを学べることもあるし、
修行のために観ねばならない面白くない映画もあるかもしれないし、
面白くないけど話題作りのために映画を観ることもあると思います。
そもそも、映画を観るにあたり「面白いもの」を選ばなければいけないという話もない。

しかし溝野の場合、誰かが「観た」と言っている時点で、自分の「観ようと思う映画リスト」に入れてしまうらしい。
ふつう、Aさんが観たという映画を自分も鑑賞して、面白くないと感じたら
「Aさんとは映画の好みはそんなに合わないかも」
と考えて、以降はAさんが映画を観たと言えば
「自分が面白いと思う確率は低いであろう」
と予想できそうなもの。
あるいはAさんとその映画について意見を交わして、
「Aさんはそういう視点から面白いと思ったんだな」
とか考察してみたりとか。
Aさんに勧められて、面白いものに当たらないのであれば、Aさんは自分が面白いと感じる映画を教えてくれる人ではないとわかると思うのですが……好みのレベルで言えば。
雑誌とかウェブのメディアでも、自分の好みに合う作品をたくさん紹介してくれるページと、自分の好みではない作品をたくさん紹介しているページがあると思うんですね。
情報のルートって、それぞれのルートの源流にいる人が、それぞれの好みで情報を取捨選択しているからです。
つまり自分が欲しい情報ルートなのか、そうではない情報ルートなのかを見極めることで、
「無為に時間を(お金を)費やしたな」
と感じるハメになる可能性を下げられるじゃないですか。

溝野、できれば、もっといろいろ考えた方が良いよ!
毒にも薬にもならない映画観るなんてそんなん時間の無駄やんって思ったので、溝野に映画のおすすめをする約束をしたのがつい先日のこと。
しかしどうせ文章書くならブログにしてしまおうかと思ったので、ブログにしました。
まぁもちろん、何も考えないで観てられる作品を鑑賞することが悪いことだとは思わないです。

とりあえず基準としては、テーマやメッセージの良さよりも、話が面白いということや、観ている間ずっと惹きつけられるような感じのものを選びました。
あと、溝野が観てなさそうな作品。
溝野の好みに合いそうな範囲で選んだ感じです。
見ようによってはネタバレっぽい部分もあるのでご注意ください。

フォックスキャッチャー

レスリング選手の兄弟と、レスリングチームを持つ金持ち男の話。
金持ち男は家族に自分のチームを評価してほしい……ひいては自分の運営能力を評価してほしいが、「レスリングなんて野蛮なもの」と軽蔑のまなざしを向けられる。
金持ち男を演じたスティーブ・カレルの終始ガン開きの眼が怖い。
兄弟の方も、弟を守ろうとする兄と、兄の影に隠れてしまうことに不満を覚える弟の関係性も切ない。
実話をベースにした物語ということもあるせいか、とにかく重い。
画面もイーストウッド映画ばりに暗い。
冒頭からラストまでピンピンに緊張していて、一瞬も気を緩めることができないが、構成が完璧だしテンポが良いので最後まで一気に観れるはず。
監督はドキュメンタリー映画出身で、フィクションに進出してからも実話ベースの作品しか撮っていないが、三作目の本作でカンヌ監督賞を受賞。
また、全ての作品で通底しているのは、男女の恋愛が描かれずに、友情とも愛情とも違う男同士の濃密な関係性が描かれること。
ブラピ主演のマネーボールの方がハリウッドライクな作りで観やすいが、人間が狂気の淵へにじり寄っていく様を描いた本作の方をすすめたい。演技もヤバイ。

卒業
伝説の映画。
大学を出て実家に帰ってきた童貞が主人公。
主人公を子どものように可愛がる親がイタい……。
この映画のラストシーンのパロディは様々なところで目にしたことがあるはず。
だが、そのラストシーンのさらに先まで描かれていることは非常に興味深い。
俺に知る中でそこまでパロっているのはシンプソンズしかない。
原点にして到達点。
チビで童貞のユダヤ人青年が主人公の、ダメ男奮闘系恋愛映画。
「すべてがプラスティックなんだ」
は重要キーワード。
すべてがプラスティックで出来ていて何が本物なのかわからない…というポストモダンな哲学。
この映画といいタクシードライバーと言い、初デートでポルノ映画を観に行こうとするのは自意識過剰童貞の性なのか。
本作を傑作たらしめている要素の一つにはサイモン&ガーファンクルの楽曲がある。
これも特にラストで生きる。

ファンタスティックミスターフォックス
昔泥棒として名をはせていたパパギツネが主人公。
実写映画を作っていたウェス・アンダーソン監督が作ったストップモーションアニメ映画。
もともと実写でも画面作りに死ぬほどこだわりのあった監督だが、念願かなってのアニメ映画ということでやりたいこと前回。
すべての画面が美しい。絵として。かわいい。
全キャラクターが死ぬほどかわいく、ギャグキャラはかわいい上に面白い。
このコメディのセンスはいったい何なのだろう。
究極の映画の一つと言える。

ブレックファストクラブ
スクールカーストを描く映画の原点的存在。
補講のような形で休日登校してきたはみ出し者の高校生たち。
全員異なるタイプの問題を抱えているが、だんだん心を通わせていく。
設定が秀逸であり、軽妙なコメディタッチで話が進んでいくのでとても観やすい。
監督はジョン・ヒューズ。
十代の少年たちの繊細な心に寄り添うような、特に厳しく諭すような父のような孤高の映画作りを続けた。

プリティインピンク
同じくジョンヒューズ映画。
はみだしものだけどおしゃれな女の子が主人公。
スクールカーストと学園恋愛を同時に描く。
母親に出ていかれた父親に対して主人公が言う台詞が泣ける。

マジックマイク
昼は大工、夜はストリップクラブで働く男と、その男に出会って夜の世界に飛び込む青年のダブル主人公。
男性ストリッパーの生活を描くという点で、客を呼び込む強烈なフックを仕込めているのがすごい。
主演のチャニング・テイタム自身がストリッパーだった経験を活かしているとのこと。
ストーリーがすぐれている点はもちろんだが、ストリッパーたちのダンスのカッコよさがやばい。
ストリッパーとして金を稼いで起業しようとする主人公の努力が泣ける。
サタデーナイトフィーバーへのオマージュもあり。

サタデーナイトフィーバー
映画を観たことがなくとも、トラボルタがポーズを決めているポスター写真は見たことがあるはず。
言わずと知れたイケイケディスコムービー……といいたいところだが実際の内容はそんなことはない。
高校出ても親と同居していて、ダンサーとして有名になることを夢見る青年が主人公のモラトリアムを描いた映画。
存外、繊細な青年たちの生活ぶりに共感を覚える。
ちょっとネタバレだけど、この映画がつくられた77年の時点で「魅力的な女の子が年上の男と不倫してて死にたくなる」という構図はあるあるだったんですね……。
結婚してんのにかわいい若い女の子と付き合ってる男全員殺していい法律はいつできるのですか。
ラストは泣ける。
そしてビージーズが提供した傑作曲の数々も鳥肌モノ。

ファニーゲーム
いわずとしれたトラウマバイオレンス映画。
湖畔の別荘に遊びに来た三人家族のもとに、謎の青年たちが訪れ……。
ハリウッドのアクションやサスペンスに触れてきた人間ほど、この映画に対する拒否反応は強いはず。
娯楽作品の「お約束」を全て裏切るからだ。
この監督は、長くTV局で働いてきたことで、視聴者が娯楽に求める「お約束」を熟知している。
だからこそ善良な消費者に娯楽が与える影響を憂慮しこんな映画を作ったのだと思われる。
僕にとってこの映画が、フィクションとの接し方を考えるきっかけになった。
ハリウッドリメイクされ、ハネケ監督自身が再びメガホンを撮ったが、ロケーションからカメラワークから小回りから編集からすべて全く同じように作るという、「リメイク」をバカにしたような作り。
ハネケ監督は頭がおかしいのである。
だが役者の気味悪さ・以前の作品との関連性もあるので、オリジナル版で観るべき。
ハネケ映画は全部必見と言いたいところなのだけど、とりあえず一本目はこれがよさそう。
溝野は愛・アムールは観たことがあるという人でも、この凶暴性に触れてみてほしい。
インテリジェンスに裏打ちされたバイオレンスという意味では北野武にも似る。

71フラグメンツ
同じくミヒャエル・ハネケ監督作。
下で紹介するエレファントと構造がかなり似ているが、こちらの方が先に作られている。
一見無関係に見える事柄が、同時に並べられることで、相互に関連しているように思えてくる……というつくりとのこと。
暴力的なシーンが映される前から「なにか起こりそう」で身構えてしまう。
緊張感や不安を煽る独特の演出が光る。
無慈悲。

アレックス
人が担架で建物の外へと運ばれてくるところから映画は始まる。
次のシーンでは、婚約者を強姦された主人公が、強姦の犯人を襲撃しようとする。
この映画は時間を逆行する形でストーリーが描かれる。
トリッキーな手法ではあるが、完璧に計算されており、ラストシーンを迎える頃にはある種の感動を覚えるだろう。
同時に、どんどん絶望が強まっていく。
他の人が描かないバイオレンス&仕掛けを用いることで有名な監督だが、ストーリーテリング力のピークを迎えたのがこの作品だろう。
僕が好きなのは「カノン」だがストーリとして面白いかというと、そうでも……。
この映画の冒頭に一瞬出てくるのは「カノン」の主人公なので、そっちも観てみると、この監督がどれだけ意地悪のかわかるはず。
「神の視点」から東京の街を撮る「エンター・ザ・ボイド」も強烈な映画。
あちらはストーリーとしては面白くはないがカメラワークがすごい。
映画館で観たら絶対吐く。

ストリートオブファイアー
傭兵上がりの主人公が生まれ故郷に帰ってくる。
ロックシンガーとして有名になった昔の彼女が、不良共にさらわれてしまい……。
ストーリーの筋自体はどうでもよい。
「男の中の男」を描くことにかけては天下一のウォルター・ヒル監督の最高傑作がこれ。
ウォルター監督は日本のオタク筋にも大きな影響を与えており、多くの作品でパクられているので、この映画を観ているだけでも「あるある展開」のオンパレードだ。
だが、どれもこの映画を越えることはできていない。

ザ・ドライバー
同じくウォルター・ヒル監督作品。
ライアンゴズリング主演のドライブの元ネタ。
寡黙な仕事人が黙ってかっこよく仕事をこなす。
それだけで映画というのはこんなにも面白くなる。
溝野、ドライブ観てるよね?
もし観てないなら死んでも観るべき映画です。ドライヴ。

マーシャル博士の恐竜ランド
「こいつが出ている映画の半分はド傑作」なウィル・フェレル主演。
これは傑作なほう。
世間から見放されている科学者が、恐竜のいる世界にワープしてしまうというどうでもいいあらすじ。
バカな男二人と、ツッコミ役の女の子が、延々馬鹿なことをやってるという話。
吹き替え版ではケンドーコバヤシさんが主人公役。
「中華料理の達人、チン・チンポウ」はケンコバさんのアドリブなのでしょうか……最高です。

赤ひげ
黒澤映画はどれもすごいが、一番「泣ける」のはこの映画だろう。
短編小説集を映画化しているので、「一つの物語」とは呼びにくく、三話構成のドラマを観ているような感じ。
加山雄三の演技は少しクサいが、話は死ぬほど面白い。
マジで死ぬほどいいで。

活きる
黒澤映画その2。
ラストシーンが、「日本って、こうだなぁ」という感じ。
この映画のラストもすごくパクられている。

ザ・マスター
ポールトーマスアンダーソン作品。
戦争からの帰還兵が、新興宗教の教祖に気に入られる。
帰還兵役のホアキン・フェニックスの壮絶な演技。
完璧な映画だ。

ブギーナイツ
家出少年がAV監督に出会い、AV男優として活躍する。
ポールトーマスアンダーソン監督は、社会に適合できない主人公が、ある特殊な技能を披露することで、ある団体のリーダーに気に入られる話をいくつも作っているが、この主人公はチンコがでかいのだ。

監督失格
ドキュメンタリー映画。
妻子あるAV監督が、付き合っていたAV女優が亡くなってしまったことがきっかけで、彼女とのことを映画にしようと思い立つ。
はからずも、AV業界で生きた女性を浮き彫りにするという社会学的にも価値を持つ作品になってしまった。
母親と娘とは。
母が自分の娘の遺体を発見する現場を撮影したドキュメンタリー映画史上初の作品では?
そしてなぜか庵野秀明プロデュース作品。
さっさとエヴァ作れ!

悪の法則
タイトルそのまま。
人死にまくり。
殺す側の悪意の脈絡のなさ。
キャメロン・ディアスの顔ってなんか怖いと思っていたので、こういう悪魔のような役柄は良く似合った。
ジョーカーやヒソカのように「悪魔」は悪魔なのだから、バックボーンを描かないでいいのだ。
ジョーカーが「悪役誕生譚」を吹聴しまくって周囲をかく乱することによく表れている。

ハスラー
風立ちぬやララランドのように、「仕事を選ぶか女を選ぶか」映画。
何かを究めようとすれば、悪魔に魂を売り渡さなければならないのか。

ハスラー2
ビリヤードを極めた主人公。
若い世代との対立や、継承を描いた映画。
ラストシーンのカッコよさは尋常じゃない。
ロッキー3と同種のもの。
ロッキー観てるよね? 観てないなら3までは必見。

サイタマノラッパー
ラッパーに憧れる埼玉の田舎者が主人公。
田舎の若者のリアルと同時に、モラトリアムに浸る青年たちの痛々しさも描かれる。
とくに「夢追っかけてる自分」に寄ってる半端な人間(俺らみたいなの)の描写が刺さる。
しかし成長譚として美しい。
自分に何もないということがはっきりわかった。
しかし本当に「辞める」しか道はないのか?
ノー。
泣くね。
ヒップホップの知識も必要なく、「エミネム」の名前だけ知ってれば平気。

パンダコパンダ
トトロとポニョの原型。
とにかくキャラクターと世界観がかわいい。
物語展開が童話そのもの。
しかし違和感がない。
最強にかわいい世界。
30分くらいの短編アニメ二作で構成されている。

どうぶつ宝島
東映劇場映画ピーク時の一作。
若き日の宮崎駿が参加。
物語はラピュタの原型。
壮大とは言い難く、ストーリーに浸れる作りではないが、「活劇アニメ」としては大傑作。
アマゾンプライムで観れる。
短いしオススメ。

空飛ぶゆうれい船
原作付きアニメ。
メディアが社会をコントロールする様が妙に生々しく描かれていてこわい。
宮崎駿がアニメーターとして参加し、独特の空中戦を描いている。
アマゾンプライムで観れる。
短いしオススメ。

長靴をはいた猫
東映劇場映画ピーク時の一作。
若き日の宮崎駿が参加。
物語はのちのカリオストロの原型。
壮大とは言い難く、ストーリーに浸れる作りではないが、「活劇アニメ」としては大傑作。
アマゾンプライムで観れる。
短いしオススメ。

ノーカントリー
原作小説の題は「血と暴力の国」。
殺し屋と逃亡者の攻防がおそろしい。
特にこの殺し屋の人物造詣は映画史に残るほどの怖さ。
なんなのあの武器。
コーエン兄弟が描くハードボイルドの極致。

バーンアフターリーディング
同じくコーエン兄弟制作。
ノーカントリーでアカデミー賞作品賞監督賞脚色賞を総なめした直後に、究極の馬鹿コメディ映画を作るという暴挙。
しかもタイトルは「読んだら燃やせ」。
こんな映画観てもお前には何も残んねーぞ、という意味。
「何か陰謀か」と思わせて、肩透かし……の連続で、本当に何でもない、バカ野郎たちが世間をひっかき回しているだけという話。
しかしすべてのギャグがさえわたっている。

ストーカー
ストーリーは全然意味わからないという人が多いと思うけど、映像が美しすぎるから別に構わないと思う。
どうやってこんな風景作ったの? の連続。
宮崎駿が「ストーカーはいつも5分くらいしか観てないのだが傑作だとわかる」と断言していた。もっと観ろよ。

ハートロッカー
イラク戦争映画。
爆弾解除の名人が主人公。
自分にしかできない、自分しかやりたがらない仕事こそ天職なのだという話。
男たちの生きざまがかっこいい。
爆弾解除シーンの緊迫感が凄まじいのはもちろんのこと、映画史に残るスナイプショットバトルもある。
戦争映画の中で一番好きな映画です。
緊迫感を演出するのがハリウッドでもトップクラスの女流監督なのだけど、この作品以降は社会的な題材を選ぶ傾向にあり、どこか「物語」要素が薄れた感が。
なのでこの作品がおすすめ。

不思議惑星キンザザ
バカSF映画。
ソ連の作品なのでそこかしこに社会的な風刺もあるが、世界観づくりが素晴らしい。

マディソン郡の橋
大ヒットした映画。
不倫がテーマ。
「専業主婦が家事をこなす」という、戦後に国家によって推進された家族モデルが、どれだけ女性の心を閉ざさせてきたか。
それが本作が大ヒットした背景にあると思う。

普通の人々
こちらも専業主婦を一つのテーマとして描いた映画。
専業主婦は暇だし、家の外との交流が減る。
そうすると子どもに異常に執着し始める……という視点で私は見ます。
一つの家庭の崩壊と、一人一人の再生の物語。

エレファント
スクールカーストもの+学校群像劇。
こういう作品は多いが、やはりその頂点はこの作品。
コロンバイン高校で起こった銃乱射事件がテーマ。
学校は精神的なゲットー。
群像劇を描きたいなら観て損はない一本。
痛い。

明日君がいない
エレファントに影響を受けた映画。
誰かが学校の中で自殺をするシーンから始める。
その後少年たちの学内での過ごし方が群像劇として描かれる。
インタビューっぽいモノローグ映像も挟まれるというモキュメンタリー作品。
あんまり面白くはないけど、「誰が自殺してもおかしくない」という学校の閉塞感の演出は面白いかも。

ミスターダマー
ファレリー兄弟により傑作コメディ映画。
バカ男二人がずっとバカなことやっているだけだが、ここまで面白いというのは異常。
アメリカのコメディ映画の下劣さは苦手という人でもこの映画くらいギャグのレベルが高ければ大丈夫なのでは?
ここまでバカなこと思いつけるのは本当にすごいこと。
2も激烈に面白い。すべての映画の続編がこうあってほしい。

8 1/2
いろんな映画にパクられまくる名画。
「次の作品をどんな風に作ろうか悩んでいる映画監督」が「次の作品をどんな風に作ろうか悩んでいる映画監督」を映画にした。
エヴァにもパクられたし、宮崎駿も北野武もこの映画を真似た。
「創ることに悩む全ての人」が一度観ておいた方が心が楽になる映画。
高学歴でインテリな妻も好きだけど、頭悪くてブロンドでおっぱいのでけー愛人のことも大好き。でも……そんな僕でもいいんだ!


↑のフェリーニ監督の傑作映画。
身勝手な男を好きになった従順な女性が主人公。
泣ける。
どんでん返しがうまい。

春にして君を想う
話はそんなに面白くないけれど、二人の男女が死に場所を求めて旅をしていて、ついに見つけた死に場所、その風景の美しさが尋常ではない。
あとタイトルが良すぎる。
小沢健二もパクった。

ダンサーインザダーク
日本では鬱映画の金字塔として知られている感じだけど、とにかく物語の構造のよさ。
そしてビョークの歌と演技の神々しさ。

さらば、わが愛
中国映画。
長い。
しかし死ぬほど面白い。
中国映画は恋愛を描くにしても「歴史」ごと描かれるものが多い。
それだけ政府による圧制への反発心があるということなのか。

クーリンチェ少年殺人事件
中国から台湾に移住してきた一家の男の子が主人公。
長いが、すべてのシーンが面白い。
ちょっと言葉で語りつくせないので何も書けないです……。
凄まじ過ぎるので絶対観ましょう。

スプリングフィーバー
ゲイ映画。
性的に閉塞的な中国の中で、セックスを真っ向から描く監督。
他の映画もよいのだけど、ゲイを特殊な存在として描いていない、そのストレートさは他ではあまり観ない気がする。

人情紙風船
時代劇モノ。
監督は26歳の若さで声望を得たが、この後出兵し戦死。
とにかく脚本が美しい。

アメリカングラフィティ
ルーカスがスターウォーズ前に撮った傑作青春映画。
「立った一晩で人生がガラッと変わる」
最高。
やはりルーカスの脚本は洗練されている。
本作によりビーチボーイズなどのオールディーズミュージックがリバイバルしたという社会的な影響も大な映画。

THX 1138
ルーカスがスペースオペラではない、純粋なSF映画として撮った一作。
SFとしての完成度の高さ。
その後のSF映画のひな型となっている。

ニューヨーク1997
メタルギアソリッドの元ネタ。
犯罪が激増した未来が舞台。
マンハッタン島は犯罪者たちを閉じ込める流刑地となっていたが、そこへ大統領専用機が墜落した。
大統領を救ってくるという依頼を受けた流れ者の元特殊部隊隊員の主人公。
設定だけですでにかっこよすぎるが、最後まで死ぬほどかっこいい。

人喰猪、公民館襲撃す
韓国産C級モンスターパニック映画。
話はジョーズの○パクリだが、ギャグが死ぬほど面白い。
韓国映画が、どのジャンルでも世界最高峰の域まで持って行けることを示している。
必見。

哀しき獣
バイオレンス描写の強烈な韓国映画。
韓国映画界はバイオレンスな犯罪映画では世界でもトップに達しているが、この作品はその中でも群を抜いている。
韓国という国が抱える暗部から出てきた男の物語。
話としてもとても良く出来ています。
韓国映画では「悪い男」をカッコよく描くことが多いけど、この映画のカッコイイワルのかっこよさは異常。

愛より強く
ファティ・アキン監督の映画は傑作続きだが、政治性とドラマ性がバランスよく両立されているように思うので、コレ。
恋愛映画としても強烈、かつ真理を描いていると思う。
何よりもやはり、シナリオライターとしての腕がいかんなく発揮されている。
作中、ザ・ザの歌詞「世界を変えられないなら、君が変わるしかないんだよ」が引用される。

アニーホール
自意識過剰ダメ男映画の元祖にして、頂点。
余計なことは言わないので死んでも見た方が良い。
元カノとやって楽しかったくだりを、今カノとやろうとして、全然楽しくならないシーンがあるのですが……泣くでしょ?

ナイトクローラー
闇方向での主人公の自己実現物語。
シナリオライティング技術が達者すぎる。
この映画を監督したダン・ギルロイは、兄弟も著名な脚本家でボーン・シリーズを手がけている。
家族みんな脚本の天才ってなにがどうなってんの?

スティング
観てる間ずっと楽しい。
メインテーマは誰もが聴いたことがあるはず。
ギャンブルシーンはジョジョの三部でパクられてた。

殺人魚フライングキラー
B級映画として名高いピラニアシリーズの変化球的作品。
若き日のジェームズ・キャメロンが抜擢され、監督を手がけた。
大筋は良くあるモンスターパニックだけど、キャメロンの「物語構造の美しさ」はこの頃から群を抜いてる。
キャメロン脚本映画は全部死ぬほど美しいのだけど、デビュー時にこんな題材を任されてもこれだけすごい、という意味で面白い。

イカとクジラ
スランプ文学者の父と、文芸編集者の母親が離婚。
二人の息子のアイデンティティクライシスを描く。
と同時に、嫁に捨てられた親父のアイデンティティもクライシスするという生々しさ。
子どもから見た「親」の存在、その視点が移り変わってゆき、「気付いてしまう」瞬間を描く筆さばきが絶妙。
すごい映画。

クラッシュ
群像劇。
ポール・ハギスは天才脚本家で、監督としては出来のブレが激しいが、この作品は脚本と演出のどちらも神がかっている。
登場人物がめちゃ多いのでそれぞれの登場シーンは少ないのに、驚くほど深くまで掘り下げられている。
超すごいと思います。

ホテル・ルワンダ
史実モノ。
ルワンダで起きた大虐殺を、ホテルのオーナーの視点から描く。
ショッキングなシーンがめちゃくちゃあるが、現実に起こったことの一つとして目を背けてはいけないと思う。

リトル・ダンサー
炭鉱労働者の兄と父と痴呆気味の祖母と暮らす小学生の男の子。
兄と父はストライキを起こしており、収入が断たれているなか、主人公はバレエの魅力に目覚める。
正直、中盤まで全然面白くないのだけど、中盤以降泣けるシーンが怒涛のように訪れる。
少年が主人公だが、父親やバレエを教えてくれる女師匠の描き込みも深く、キャラクターの立て方が上手なのだと思う。

サウンド・オブ・ミュージック
ミュージカル映画の傑作。
「至上の愛」というクラシック曲を生み出してしまった点だけでも歴史に残る作品。
お話自体もとてもよい。

カサブランカ
「君の瞳に乾杯」の台詞で知られる古典。
男はどう生きるべきなのか。一つの答えが提示されている。

博士の異常な愛情
キューブリック映画はどれも観る価値ありすぎるのだけど、核戦争の恐怖を描いた原作をギャグ映画にしてしまったという料理の妙ということで、この作品は面白いかなぁと。

俺たちニュースキャスター
下ネタ含むギャグ映画。
とにかくそのギャグのクオリティの高さ、連射ぶり。

ルアーヴルの靴みがき
村上春樹がお気に入りの映画監督。
小津安二郎に影響を受けた感のある、カメラを動かさない演出が基本。
登場人物が全然自分語りをしないところ、寓話的な物語などが村上春樹っぽさがある。
画面作りも音楽も話し運びも素朴なのだけど、最後には深い感動がある。
シンプルなのでおすすめ。

ウォルト・ディズニーの約束
メリー・ポピンズの実写化秘話。
物を作ろうとしている人には観てほしい感じが。

ある子供
カンヌで監督賞とグランプリを複数回受賞しているダルテンヌ兄弟監督作。
ニートで頭の悪い青年が主人公。
彼女に子どもができてしまい……。
予想の付かない話運び。
この監督は社会問題を題材にしながらも、当事者でない人が観てもどんどん惹き込んでいく。
名人芸レベル。
どの作品を見ても外れはないが、「子どもは作るのは難しいなー」と思ってしまうような我々には刺さりはしませんか。
最近、突発的に子どもができちゃう話を作りたいなと思うことがあります。
「子どもができちゃった」とか「いきなり『あなたの子です』と子どもを押しつけられる」って話は、映画史ではけっこうありますね。

あと、去年公開の映画だけど

・全員死刑
・新感染
・マンチェスター・バイ・ザ・シー

なんかはめちゃくちゃおすすめ。

こうやって、紹介の文を書いていると、自分は作品を物語としてではなく、作った人間の意匠として捉えているのだと気付く。
物語の内容や魅力を伝えた方が分かりやすい気がするのだけど、そのへんのことあんまり覚えてない……。
うーん。
僕は映画を週に三本くらいは観るようにしているのです。
シナリオ作りの参考になるであろう、という理由からです。
僕は「知識はあればあるほど良い」と思っているフシがあり、良いシナリオを考えるためにはたくさんの物語に触れた方がいいと思っていたのでしょう。多分。
ですがこうして映画のことを振り返った時に、物語の細部をあんまり覚えていないことがわかり、驚嘆しています。
もっとシナリオのこと、覚えてると思ってました笑
別に映画観なくてもよいのかもしれないですね……。
もちろんシナリオの勉強以外にも映画を多めに観たい理由はあります。
映画は他の芸術……たとえばポップミュージックとも密接に結びついています。
また、映画はその時の社会の状況を反映していることが多く、社会を知るための手立てでもあります。
でも今の僕は、社会のことよりももっと優先的に学ばなければいけないことがあるようにも思います。
恋愛とか仕事のこととか、心理学とか。
……シナリオのことも勉強したいけど、優先順位はこれらのさらに下になりますね。
うーん。人生難しい。

けど、映画や音楽を通して、作った人自身の真理に迫る……みたいな楽しみ方には、最近ちょっと飽きてきたところがあるかもしれません。
読書に割く時間を増やそうかな。
読書しながらであれば音楽も楽しめますしね。

冷静に考えてみると、マンネリになってしまっているのかもしれないです。
「今なにをするべきか」「したら楽しいか」は常に考えてたほうがいいですね。
というか人に何かをオススメする時のって難しいですよね。
人によってどんな作品が気に入るかが違うだろうし、さらに言えば時と場合にもよりますな。
となるとこうして「これがおすすめじゃー!」とタイトルを列挙していくのは、あまり効率は良くないですね。
まぁ、なるべく、どのようなタイミングでも楽しめるものを選んだつもりですが……。
タイトルを上げるは良いけど、感想文を書くのか、レビューをするのか、概要を紹介するのか……どういう書き方をするべきなのかは作品の内容によりますが、そこもブレブレで、ダメな文章書きだなぁ私は、と思いました。
一文が長いのも悪い癖だ。